長野・阿智村・森田さん畑オフ

長野最南端の阿智村。森田さんはプロのjazzミュージシャンの傍ら、阿智村で農業もされています。

「夏はみょうがの収穫は有りませんが、雑草がはえて来るので、若いうちに抜きたい」とのこと。

そこでこの勤労行事に参加がてら、仲間との懇親をかねてみました。

 

参加者

・エリーさん

・鬼庭さん

・Xさん

・Junnaさん

・ナイジェルさん

・くりえいと

みょうが雑草抜きの様子。

日 程 内 容

 6月13/土
●午後集合後、さっそく畑に移動し、雑草抜きの要領を聞いた。
●休憩を挟んでオレンジやお菓子をごちそうになり、簡単な自己紹介などの雑談。
●4時過ぎより森田さん宅に移動。
●おやつ(そうめん)をごちそうになりながら、森田さんの奥さんを交えて自己紹介。
●日帰りメンバーが先行解散。

●水晶山温泉満願成就の湯へ連れて行って貰った。

●情報共有宴会。

●ブタクサという雑草が森田さんのアレルギーを起こすため、それを中心に抜いた。

 

●とくに有事を踏まえて顔のみえる関係性を全国各地につくっておく。

 

●きょうは奥さんの誕生日だそうだ。森田さんがクジラの絵を奥さんにプレゼントした。

 

●ねこ(ダイとメイ)が夜にごはんをたべに来て、寝にくる。

6月14/日 ●起床後、家の横の水路で洗濯。

●スギナをとって、乾かす。

●畑に移動して、雑草抜き。

●11時休憩。

●昼、食堂で昼食。

●源流に案内して貰う。

●昼神温泉に連れて行って貰い汗を流す。

●夕方解散。

●阿智神社参拝。

●水温が冷たい。うがいもできる清水。

 

●源流は、リニア計画でトンネルが貫通する場所。阿智村清内路の秘境、赤子ヶ淵。 「小黒川のみずなら」へ行く道の途中から、黒川沿い方面へ方向を替えて分け入る。

 

●工事で1日600~1000台のダンプが土砂を搬出予定。

 

中央アルプス南端、恵那山のふもと標高888mにある阿智村。


畑は広大だ。

↑ 人参の子みたいなのがブタクサ。

無心

・広大な畑なので、雑草を抜いているとキリがないのだが、作業を通して無心になっていく。

・ナイジェルさんはITエンジニアでロジカルな左脳型人間だが、雑草抜きのような無心な右脳型の作業はほとんど経験なく、戸惑いや疲労もあったようだ。Junnaさんは右脳型の作業は好きなようだ。

・雑草を抜くだけでも自然界の多様な情報をキャッチできる。それは自然農の本を読んだ知識とは別の、「わかる」という体験ではないだろうか。風のあるなし、気温、日射の加減や温度、雑草の種類、根のからみぐあい、虫の種類、ミミズ、手袋につく草の青汁、腰や葦の痛み、下地に敷いてあるススキの枯れ具合、土のふかふか度合、鳥のさえずり、お寺の鐘の音、目的のために障害要因を排除する人間の効率思考(みょうがのために雑草を抜く行為もそのひとつ)と、その程度問題についてなど。

・無心になれるという意味では農作業(草抜き)は瞑想のようでもある。

・Xさんは体調がおもわしくない暮らしだったようだが、アウトドアの雑草抜きに参加し、みちがえるようにイキイキとなったようだ。

・草抜きもみんなでやると、なんだか楽しくもあるようだ。

・森田さんはブタクサが苦手のようだ。(アレルギー)

・自主的な参加なので、ここには、「誰がどれだけの面積を達成した」、というような俗世間の評価軸がない。だから、追い立てられないし、疲労感もない。

↑ バッタのこども。

モンサント

・みょうが畑の道路沿いの雑草が枯れている。「役場が道路維持管理のために除草剤をまいていて、畑にかかる部分が枯れる」とのこと。除草剤による枯葉は一網打尽であり、なんともいえない暴力性を感じる。

・村でも農家が効率を求める余り無秩序に除草剤をまいている。どうしたら弊害を聞いて貰えて、意識化して貰えるのか、思案しているそうだ。

・『おじさん、あなたがまいているのはベトナム戦争の「枯葉剤」ですよ』。といっても、ベトナム戦争も知らないし、「枯葉剤」による奇形児などの健康被害のことも知らないひとに、どうやればモンサントやGMOのことを伝えられるのだろう・・・。

 

自然生活

・ねこのメイは左耳に2匹のマダニがついていた。「ダニとってあげないの?」と森田さんに聞いたら「自然に落ちるよ」とのこと。

無理にとると歯が皮膚にくいこんで化膿するが、ダニが血を吸ったら自然に落ちるという。無理に駆除してもまたつけてくるからキリがない。フロントラインはいわば「虫の除草剤」だから、使用しないとのこと。

・2階の居室の窓ひさしの下に巨大なスズメバチの巣が2つ。去年のと、3年前のだそうだ。さらにもう1つは土台を建築中。都合3つの巣が並んでいる。スズメバチは、いまはまだ土の中の仮住まいで、数が増えてから8月ころに高いところに本住まいを作り始める。いまかよってるのは、あしながばちが、跡地に自分の新しい巣をつくっているそうな。しかし物騒なイキモノだが駆除しないでむしろ窓のほうにネットを張って保護して共存してるところをみると、「自然にあるものだから」、という考え方なのだろうと思った。 


(そうしてみると・・・)


・人間社会の効率利便至上主義は、ひとりよがりな人間都合によって自然界の管理行為を生む。それは、不要なイキモノ、害虫、害雑草の駆除という行為につながる。それが適正なバランスのもとにあるうちはいいが、ついひとは行きすぎてしまう。そのため、害虫や害雑草を駆除する殺虫剤や除草剤や農薬に手を着けてしまう。また、化成肥料も計画的に管理された収量の実現のためには不可欠だという常識ができてしまっている。たとえば、みょうが畑のブタクサ駆除は手で抜いて、作業者も労力を払って適正なバランスを保とうとしたわけだが、商品作物以外の自然界のいとなみであるならば、駆除行為さえする必要がないという思想と行為が、ここにはあるような気がした。

・この、自然界というもののありさまを基にした思想と行為は、人間の俗社会の思想と行為とはことなっているようだ。

・人間の俗社会で身につけた学歴、常識、作法、習慣、価値観、技術・・・こういったものをいかに客観視していくことができるか。また、客観視して自覚したこれらのモロモロといかに距離を置くことができるか。森田さんは「脱いでいくことの途上にある」と言っていた。

収穫は9月になるようです。

(↑)森田自然農園Webショップ

 

 

(←)ススキをまぜた土でつくる、無肥料・自然農。

源流。

夢のリニア超特急

・リニア開発が阿智村源流の山体を貫通する。これにより、日量600~1000台もの土砂運搬ダンプが残土を排出。水源の伏流水が枯れるなど、さまざまな環境破壊が懸念されるという。
・人間は直線的に作業効率を求め、直線的な空間を人工的に形成して暮らすが、自然は雑然とみえる整然とした調和のもとに成り立っている。人間が自然の中に住まわせて頂いているという謙虚な心持ちとなり、最小限の自然関与によって、環境破壊を止めることがなぜできないのだろうか。

・森田さんはリニア問題を通して、人間と自然環境との適切な暮らし方を問い直す意味で、一人でも多くの人々に関心をもってもらいたいとの想いからjazzからラップに表現方法を変えて、新しいCDをプレスしている。タイトルは『夢のリニア超特急』。購入はこちらから可能。収益はリニア問題の環境団体に全額寄付されるそうです。

 

阿智村に来た
・森田さんが自然農にめざめたのは2010年だったそうな。

・これまでの社会のあり方や食の根本を考えると「自然農しかない」とおもったようだ。

・神奈川県秦野市の自然農先駆者に師事して、教えを請うた。

・311大爆発後のある日、永田町で新規就農の相談会が開催されていることを知り、それが明日だったので即座に聞きに行って、「長野県で自然農をしたい」と相談。

・慣行農業ばかりの長野県で、勧められたのが阿智村だった。

・阿智村でも集落によって自由度(自然農への受け入れ度)が異なっており、当地は自由度が高かったので、適合しやすかった。

・隣の村落ではそういうわけにいかないため、他人の情報ひとつで地域全体を判断してしまうのは危険だということがわかる。やはり何名かのキーマンを訪ねて取材しておくことが大切だと感じる。さらに、農業でも慣行農法なのか自然農なのかによって、キーマンの意識や受け入れキャパが変わって来る。

・森田さんの栽培品目はみょうがをメインとしているようだ。阿智村には随所にみょうが畑がみられる。地域の土壌特性や気候風土からも適性なのだろう。

・一帯には大型商店やコンビニがほとんどない。消費偏重型生活ではなく、自給型の生活にシフトしていかなくては暮らせない。

・森田さんの知人は外資のコンサルで何千万円という年収だったが、10年も勤めると独立させられ自動的に億の単位の借金を背負わされていく方式があるとのこと。それに組み込まれると年収もさらに上がるが、リスクもあり、第一精神が儲けの事だけで破壊されてしまい、廃人のようになるという。そんな例を沢山みてきたため、知人も自発的に退職して、農業の世界に飛び込んだという。そして農業だけでなく林業と山岳ガイドを兼務している。田舎暮らしはたくさんかけもちがふつうです。なお百姓とは蔑称ではなく、1人で百の仕事を担えるという尊称です。

・人格より上位に位置する組織目的に人間性が破壊されることから、職を離脱していく。

・森田さんは若い子と接することがあるが、「こいつは若いがすべてを解っている」と感じるそうだ。大学など高等教育を受けて沢山の価値観と知識を詰め込んでしまったら、それを離脱する事ができなくなる。また、自発的に脱却しようとしてもとても難行苦行となる。それならば純粋なままで生きた方がはるかによい。森田さんもその脱ぎ捨ての途上にあるらしい。

・だが、人生というものは、『もう食べ飽きた。』と思うまで離脱や軌道修正ができないもので、『やり尽くす』ということも必要な道のようだ。若いうちに感じた疑問や理想をそのまま貫徹していくもよいし、経済社会で儲けを追って財をなして捨ててもいいし、挫折して原点を見直してみてもいい。どれでなければならないというルールはない。

・人間は欲を追いすぎている。ほどほどのところで譲歩して、自然環境と折り合いをつけることがなぜできないのだろうか。

・着工が決定したリニア工事は、とどめることができるのだろうか。

・森田さんは現在、自分にできることとして音楽表現によってリニア問題を題材にして、ひいては人間と自然環境との調和的なあり方の啓蒙にむけて、CDのプレスをはじめ、表現活動を行なっていくつもりのようだ。

・わたしは、表現活動は何枚売れたとか何人動員したとか言う数字の成果だけではなく、表現というさざなみを起こして、宇宙に発信していくことが重要だと感じる。それによって、五感を通してだけでなく、魂レベルで感知する精妙なバイブレーションで全世界全宇宙全存在に対してアファメーション(宣言)していくことが大切だと感じるが・・・。

 

地域互助圈
・エリーさんは御岳のふもとに在住していることから、先の御岳噴火など、地球異変のときの対応について、関心を寄せている。

・広域大規模な地震など、地球規模で起きる異変のときの対応として、顔のみえる近隣にて連携していく必要性があるようだ。

・鬼庭さんは、山荘を所有しているが、大地震や過酷事故の避難者のために「駆け込み村」みたいなものができないかと、空き家を探したりしている。具体的な物件もあったが、オーナーが賃貸や修繕に乗り気でないため頓挫している。

・阿智村のように先行して定住している人をベースにして、そのエリアの空き家を貸して貰うなどしていくことは後発移住者にとってスムーズにいきやすい。

・全国に複数の互助圈があれば、一箇所が地震や天災の被害に遭っても、ほかの互助圈に移住シフトする可能性が開けて来る。
・とくに地震によるゲの事故は広域が居住不適合となるため、縁のあるネットワークを分散しておくことは有効かもしれない。
・具体的に物件があるようならば、そういうところを拠点にしていくこともできる。

・人間関係は価値観や意識のバイブレーションが異なると非常につきあいづらくなるため、ひごろから交流を通して人柄を把握しておく事もよい準備になるなのではないでしょうか。

 

海外と日本

・Junnaさんは10年間、海外生活をしてきたが、このほど日本に里帰りし、改めて国内での生活(定住?仮移住?)をスタートされた。

・海外からみると日本の政治や社会運営のひどさが客観視できて、政府のやりかたには矛盾をおぼえることが多々あったという。

・そのため、「すべては気づき」のサイトを通して、啓蒙にはげんできたが、最近はむなしさをかんじるようになったという。

・好きなのは海外を旅行して歩いてそれで暮らしを立てていくことなので、旅のサイトに比重をおいて書いていこうとおもっているらしい。

・海外生活にしても国内移住にしても、コトがおきてからでは遅いため、事前に意識づけをしておくことがポイントのようだ。

 

「ミョウガのうた」森田修史(Tenor saxophone)